昨日のこと。
とあるクライアントから、うちのチームが対応したシステム設定に問題があって、お客様にご迷惑をおかけしかねない状態だから修正対応をして欲しいと連絡がきた。連絡を受けた時、正直「またか…」となった。というのも、実はつい数日前に同じ内容の連絡を受けていて、その時に対処をしこれで今日から問題ないだろうと思ってた矢先にまた連絡を受けたから。つまりこれで立て続けに2回起こったわけです。実際に修正作業を担当したのはチームメンバーのインド人。
日本で働くインド人は2つのタイプに分かれる
日本で働くインド人は、私が思うに以下2つのタイプに分かれます。
仕事が超絶できるタイプ
日本人以上に残業をいとわず、真面目で責任感が強いです。また、頭の回転も早く情報通だったりもします。パフォーマンスも良く信頼を集める中心的存在になれるタイプです。
当然、同じ会社で働く側からするとこのタイプと一緒に仕事をしたい訳ですが、あまりにも優秀なので日本人が置いて行かれれるシーンを目にしたりもします。華麗に置いていくインド人たちからは、共通してプロフェッショナリズム、責任感、努力そしてやり抜く力を痛烈に感じます。
不真面目タイプ
このタイプの人たち、不思議なほど仕事しないんです(笑)
一見すると1日中PCに向かって仕事をしているように見えるんですが、大してアウトプットを出してないインド人。
1日中カフェでコーヒー飲みながらインド人のお友達たちとずーっと喋ってるインド人。
時間にもルーズですし、すぐ休みます。指示されないと動けず、自分で考えて作業をするのが不得意なのか同じミスを繰り返す傾向があります。
上記2つのタイプは我々日本人にも勿論いるんですが、インド人の場合はそれぞれの差が本当にすっごく大きいんです。デキる人は本当に無敵状態ですし、不真面目タイプは騙し騙しサボっている訳ではなく、正々堂々と仕事しません。マネージャーももはや諦めています。
2つのタイプの共通点
こんなにきっぱり分かれるインド人ですが共通している点があります。それがこちら。
自己アピールが凄い
外国人ですので、当然日本人と比べると自己アピールは強めです。賢いタイプのインド人は謙虚に、でもしっかりとアピールします。不真面目タイプは正々堂々と過大評価します。
ただ、日本で働いているインド人(というより外国人全般的に)は、ある意味日本文化に慣らされている部分もあるので、本国よりも少しマイルドになっている気はします。
嫌な事、キャリアにならない事は極力やらない
会社で働いていると、明確な担当者がいないような作業が突如発生したりしますよね。総務の方やアシスタントさんにそのような業務が依頼されたりする事が一般的には多いかもしれませんが、そのようなポジションがどの組織にもあるとは限りません。そういった場合は、自分の仕事とは別にほぼボランティアでその業務をさばく訳ですが、時々海外メンバーなどはボランティア志願をしてきてくれたりします。でもその中にインド人が入っているシーンを私は正直見た事がありません。
これも人によるところが大きいとは思うので断定は決してできませんが、少なくとも私が共に働くインド人の中にはいないんです。
でも上記で挙げた2つのタイプと照らし合わせた時に個人的にはなんとなく納得がいくんですよ。
仕事がデキるタイプは、効率良く自分がすべき事をこなし、自分自身に影響がありそうな事はそこまで範囲を広げて対応しますが、それ以外の事、キャリアに関係のない事はよほど余裕がある時じゃないと自分の時間を割かない。優先順位が明確ですし、それよりも重要なことに時間を割きたいと考えています。勿論、上司から指示されればやりますよ。
一方で不真面目タイプは言わずもがなですが、やりたくない事はやりません。上司から指示されれば動きますが、まあヌルッとやる感じです。
日本人とインド人との共通点
以下は、何も仕事に限った話ではないのですが、彼らとおしゃべりしてきた中で知った日本人との共通点です。
謙虚
自己アピールが強いとは真逆の話になりますが、謙虚な精神はちゃんと持ち合わせています。そこはやっぱりアジア人とでも言いましょうか。会社の外に一歩でると分かりませんが、少なくとも上下関係がしっかりある会社という組織において、彼らは謙虚です。ちゃんと自己アピールもしますし、自分の考えはしっかり伝えますが、上司から言われたら真摯に受け止めます。
真面目
先ほどの「仕事が超絶できるタイプ」に限った話ですが、仕事への集中力もすごいですし、残業もします。(必要なときはですが)日本人の強みである「真面目」は彼らの強みでもあると思います。因みに不真面目タイプはなんなら定時を待たずして帰っていることもあります。
夫婦間の立ち位置
嫁強しです。
仕事中に毎日必ず電話してます。家計のお財布も一緒で、最近の夫婦によくあるお互いの年収を知らないなんて事は絶対的にあり得ません。お互いの収入がいくらかを把握していて、何にどれだけ使うかもお互いに納得してから買うようです。なので、嫁の知らぬ間に仕事を辞めてきた、新車が納品されてきた、大量の注文がamazonから届いたなんて事は起こりません。
長男の使命
日本と同じというより、一昔前の日本と同じと言った方が正しいでしょうかね、長男が両親を支えます。日本に働きに来ているインド人長男たちの運命は、今のところ両親を見捨てて日本で働き続けるか、日本でのキャリアを諦めてインドに戻るかです。厳密にいうと、日本政府は日本での就労ビザを所有している外国人で、その両親が片親の場合にはには養老扶養ビザというものを支給するようなのですが、基本的に日本語オンリーの日本での生活に、年老いたインド人の親御さんがうまく適用できるかというと現実問題難しいところがあります。
共通語が英語であるインドでは、親御さんの年齢でも英語に支障がない人(話せなくても聞けるなど)も多く、子供の方はほぼ英語に抵抗がない為、親のその後の人生を考えて日本を出て一緒に英語圏で暮らし始める人、結構います。私の知り合いのインド人もカナダとアメリカに移住してます。(本当に中国人とインド人はボーダレスです。)
子育て
ピンポイントな話になってしまいとっても恐縮ですが、日本ではお子さんと一緒のベッドやお布団で寝る事が多いですよね。
これはインドでも同じなんです。お子さんと一緒に川の字で寝るみたいですよ。
北米などは子供の自立性を高める為に、乳飲み子の頃からベッドどころか寝室も分けますが、インドは日本と同じようにある程度大きくなるまで同じ寝室、ベッドで寝起きするようです。子供の夜泣きやミルクを与えたりすることを考えると一緒に寝た方がすぐ気が付けるからとのことでした。
インド人あるある
・インド人同士で群れる
・すさまじいインド人ネットワークをもっている
・良くしゃべる
・首を細かく左右に傾げる合図を持っている
次項でも触れるのですが、インド人同士は人との結びつきが強いです。そんなコミュニテイで育ってきた人たちなので、よくインド人同士で集まっているところをよくよく見かけます。その為、凄まじいネットワークを持っています。また、本当に良く喋っています(笑)
会社での私の座席がインド人に挟まれた事があったのですが、私を飛び超えて仕事の話をしていると思ったら、途端にプライベートの話になり、その後間髪入れずにまた仕事の話に戻るなど、まるで川の流れのような会話を繰り広げていました。
これは彼らの日常です。
あと、これは同意してくれる人も多いと思いますが、インド人特有のボディランゲージがあるんです。
一般的にYesの場合は、顔を縦に振り、Noの場合は横に降りますよね。でもインド人の場合は、首を傾げるように顔を左右に小刻みに動かすんです。昭和の時代にあった、首の部分にバネが仕込まれている首振り人形のように。。。
YesでもNoの時でも。違いが全くわからず、賛成しているのか反対しているのか全然わからないんですよ!インド人同僚に聞くと違いを聞いてみたんですが、答えに困っていました(笑)
自分らもわかってないんかーい!
まあ、見てるとなんとなく表情で判断つくかもしれない。。という感じでしたが、インド人以外にとっては判別が難しそうです。
また、結構離れてるのに、お互い首振り合ってる時もあったんですが、それは
発信者の首振り→「元気?」の意味
回答者の首振り→「変わりなし、元気だよ」の意味
らしいです。外野から見てると本当に分からない。。。
見習うべきところ
こんな人間臭い面白い部分を持ち合わせたインド人ですが、日本人には持っていない見習いたい部分も当然持ち合わせています。
仕事とは関係ない事も含みますがご紹介しますね。
家族や友達との距離感が近い
立ち話をしている時などのパーソナルスペースではなく、人と人との結びつきの方なんですが、家族や友達との関係性が日本人よりも濃厚です。自立した子供が結婚を機に家を建てるのも両親が暮らす家の敷地内だったり(土地がある田舎の場合ですが)、インドに暮らす両親に日本から毎日電話をしたり。友達とは、自分の家に帰ると、家族と自分の友達が先に夕食を食べている事なんかも普通らしいです。また、一度懐に入ると親身になってくれる人が多い分、逆に向こうから何か依頼される事もあります。
日本人は相手に迷惑にならないようにという気持ちが強いため、友達に頼るより自分で解決する事が多いと思いますが、インド人同士は助け合うのが当たり前です。例えば、朝早い便で海外に行く場合、「じゃあ空港近くのホテルに前泊しよう」というのが日本人の一般的な考え方ですよね。でもインド人は、「行きは自分で車を運転するけど駐車場代ももったいないから、友達を乗せて空港へ向かい、友達にはそのまま車を乗って帰ってもらう」なんです。まあ、これは正直ケチなインド人の場合ですけどw、でも友達をこういう使い方といいますか、このような依頼はあんまり私たちはしないですよね。
彼らは友達との距離感も家族並みに近いので、お互いに協力しあう事が多く、1日の中でも本当に良く連絡を取り合ってます。
ふと見るとだいたい電話してます(笑)
日本人同士がこの距離感になるのは難しいところがありますが、どんどん人と人との結びつきが弱まっている日本において、限りある両親との時間をもっと大切に過ごせればと思いますし、これくらい頼れる人が家族以外にもいる人生ってなんだかいいなあと思いませんか?
英語がネイティブ
これはもう日本が英語においては圧倒的に後進国なのでかなう国が少ないんですが、インドは英語が共通語なのでその時点で圧倒的な差をつけられています。また、IT分野もかなり発展していて、日本のIT業界の給料と比較してもインドの方が上では?とも言われています。ここ10年くらいでインドにおけるIT業界の給料が、どうも3倍近くに跳ね上がったようです。確実に経済下降をしている日本ではこんなバブルが起こっている業界って果たしてあるんでしょうかね。。。
因みに言語でいうと、ヒンズー語と英語が共通語で、それ以外は全てローカル言語になります。ローカル言語の方が実は圧倒的に多いようでして、日本の方言のように、イントネーションや独自の表現があるという程度ではなく、隣街なのに全く言語が違うというレベルです。というのも今のインドの州は元々それぞれ1つの国だった為、その国ごとで使われている言語が全く違っており、それぞれ広大な土地を所有する国々だった為、言葉と言葉が交わる機会もあまりなかったようです。
その為、例えばそれぞれ違う州出身者同士で結婚した場合、奥さんと旦那さんそれぞれのご両親と話すときはヒンズーか英語以外ではコミュニケーションが取れないと私の同僚は言っておりました。両親にパートナーの文句を言いたい時に便利なシステムです(笑)
決断が早い
これは何もインド人に限った話ではないですが、インド人の場合も職場において日本人と比べると決断は早いです。とりあえずやってみて、後から調整していこうとします。この点に関しては、日本は本当に苦手です。正解を求めすぎると言いますか、細かい部分を気にしすぎるというか、自分のせいになるのを極端に恐れるといいますか。。。決断をするより、決定事項に従う事の方が圧倒的に得意ですよね。
因みに、結構多くの国々からこの決断の遅さ、決断をしないことに関しては本当によく理解できない、耐えられないと言われます。
この記事を書いている2020年に起こった新型コロナウィルスが大拡散した事でも改めて露出しましたよね。法律の絡みもありますが、なぜはっきりと外出自粛「要請」ではなく「命令」を出さないのか。
給付金支給が始まり出したのが、コロナがほぼ終息し始めたタイミングにまで伸び伸びになりました。物理的な問題はあれど、コロナが猛威を振るう中、会社はいつまで社員を出社をさせるのか。。。
私が勤務する会社は外国人を多く雇っており、クレームも即上がるので(笑)、リモートワーク への切り替えは早い方でしたが、なかなか「決断」をしなかった会社が多くあったのは記憶に新しいところですね。
まとめ
いかがでしたか?今回はあくまでも私個人の周りにいるインド人と一緒に働いた経験を元に、個人的に感じた事を紹介してみました。一緒に働いているからこそ感じる彼らのパワーには時々圧倒されます。一方でやっぱりアジア人同士似ているところがあるなとも感じます。
これから更に外国人を受け入れるであろう日本で、数年後にはインド人と一緒に働いている人達も更に多くなっていると思います。彼らとお近づきになる時のネタとしてでも、今回の内容を参考にしてして頂ければ幸いです。